
「海外FXで利益が出るようになってきたら、次に考えることは何でしょうか?」

「税金対策も海外FXで利益を出すための重要なポイントです。海外FX業者だからと言って、日本在住の日本人であれば、日本に納税しないと脱税で捕まってしまいます。しかしながら、海外FXは、国内FXよりも税金高いのでしっかりと対策をしていかないと、資産が増えていかないのです。」
海外FXの税金は、国内FXと比較して高い!
まず理解しておかなければならないのは
海外FXの税金は、国内FXと比較して高い
という事実です。
国内FXと海外FXでは、課税の仕方に違いがあるからです。
国内FXの税金
- 課税方法:申告分離課税
FX関連の所得(儲け)に対して、独立して課税される課税方法
- 所得税:15%
- 復興特別所得税:0.315%
- 住民税:5%
合計:20.315%
国内FXでは「申告分離課税」が採用されているため、日本国内の証券会社・FX会社で行うトレード(FX、くりっく365、CFD、先物取引、バイナリーオプション)における所得(儲け)だけが独立して、課税される仕組みとなっています。
さらに国内FXの税金では
- 3年間の損失の繰越控除
が認められているため、その年に大きな損失を被った場合、翌年、翌々年の利益と相殺して、課税金額を下げることができるのです。
海外FXの税金
- 課税方法:総合課税
給与所得などの他の所得(儲け)と合算して、課税される課税方法。海外FXの所得は「雑所得」に分類される
所得税
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
1,000円 から 1,949,000円まで | 5% | 0円 |
1,950,000円 から 3,299,000円まで | 10% | 97,500円 |
3,300,000円 から 6,949,000円まで | 20% | 427,500円 |
6,950,000円 から 8,999,000円まで | 23% | 636,000円 |
9,000,000円 から 17,999,000円まで | 33% | 1,536,000円 |
18,000,000円 から 39,999,000円まで | 40% | 2,796,000円 |
40,000,000円 以上 | 45% | 4,796,000円 |
復興特別所得税
所得税額 × 2.1%
住民税
所得割(標準税率) | 均等割(年額) | |
---|---|---|
区市町村民税 | 6% | 3,500円 |
道府県民税・都民税 | 4% | 1,500円 |
合計 | 10% | 5,000円 |
合計
所得税:5%~45% + 復興特別所得税:0.105%~0.945% + 住民税:10% + 5,000円
= 15.105%~55.945% + 5,000円
となります。
海外FXの税金の方が圧倒的に高い!
みてもらえば一目瞭然ですが
- 国内FX:所得(儲け)の20.315%(申告分離課税)
- 海外FX:所得(儲け)の15.105%~55.945% + 5,000円(総合課税)
ですから、海外FXの方が圧倒的に税金の負担が大きいのです。

「でも、海外FXの15%の下限の方であれば、国内FXよりも税金が安いんじゃないの?」
確かにそうなのですが、総合課税で所得税5%が適用されるのは、給与所得なども含めて、1,949,000円までの所得の方ですので、給与所得がある方、海外FXの儲けが年間200万円を超える方、給与所得以外の所得がある方は、やはり海外FXの方が税金の負担が大きくなってしまうのです。
だからこそ、海外FXトレードで勝てるようになってきたら、「税金対策」が重要になるのです。
海外FXの税金支払に関する疑問
Q.そもそも、海外FXで利益が出た場合、日本に納税する義務はあるの?
日本在住の日本人の場合は、海外FXで利益が出た場合、日本に納税する義務があります。
国税庁のウェブサイトでは
所得税法では、所得税の納税義務者を居住者、非居住者、内国法人、外国法人の4つのグループに分けてそれぞれ納税義務を定めています。
「居住者」とは、国内に「住所」を有し、または、現在まで引き続き1年以上「居所」を有する個人をいい、「居住者」以外の個人を「非居住者」と規定しています。
課税所得の範囲
国内および国外において生じたすべての所得
出典:国税庁

と定めています。
つまり、かみ砕いて言うと
日本に住んでいる方は、国内で得た所得(儲け)であろうと、海外で得た所得(儲け)であろうと、納税の義務者になる
ということを意味します。
当然ですが
日本に住んでいる方の場合、海外FXで利益が出た場合も、日本で納税する義務がある
ということなのです。
Q.でも、海外FXで利益が出た場合、申告しなくてもバレないんじゃないの?

100%ではありませんが、バレる可能性が高いです。
日本国内で得た所得(儲け)の場合は、儲けを支払った企業、仲介した企業が税務署に申告しているため、「誰がどのくらいの利益が出たか?」は、国税庁に筒抜けの状態となります。当然、納税をしなければ、国税庁から脱税の疑いで調べられてしまうのです。

「海外で得た所得(儲け)の場合は、海外FX業者が申告するわけでもないのに、どうやって国税庁が調べるの?」
という疑問が湧いてきますが
日本と外国の間で租税条約というものが締結されています。
租税条約を締結している国

租税条約では、二重課税の除去、脱税及び租税回避等への対応を2国間で交流するものであり、その中には
- 脱税及び租税回避等への対応
- 税務当局間の納税者情報(銀行口座情報を含む)の交換
- 滞納租税に関する徴収の相互支援
というものが含まれるのです。
海外FX口座というのは、銀行口座と紐づけて管理されているものであり、日本と租税条約が締結している国にある海外FX業者でトレードした場合は「納税者情報の交換」の対象になるため、日本の国税庁にバレてしまうのです。
また、海外FXで稼いだお金を使うためには、どこかのタイミングで出金して、日本の銀行口座に送金するなどの必要性が出てきます。日本の銀行のお金の流れを、国税庁は追っているので、ここでも、あきらかに高額な送金があれば目を付けられてしまうのです。
結局、海外FXで稼いだ所得(儲け)も、日本在住の日本人であれば、申告しないと、国税庁にバレてしまい、脱税扱いになってしまう可能性が高いのです。
海外FX税金の抜け道

では、高い税率がかかってしまう「海外FX」に税金の抜け道はあるのでしょうか?
結論から言うと
あります。
ただし、実現の難易度が高いです。
詳しく説明します。
日本に納税しないためには、日本在住でなくなれば良い
前述したように海外での売上を日本に納税しなければならない基準というのは

- 居住者 → 日本国内の所得も、海外の所得も、日本に納税する義務がある
- 非居住者 → 日本国内の所得のみ、日本に納税する義務がある
です。
では、どうやって「居住者」と「非居住者」が判定されるのでしょうか。
日本の居住者かどうかの判定
所得税法において、居住者とは、日本国内に「住所」があるかまたは現在まで引き続いて1年以上「居所」がある個人をいいますから、日本の居住者に該当するかどうかは、国内に住所または居所があるかどうかという判定が必要となります。
「住所」とは、「各人の生活の本拠」をいい、国内に「生活の本拠」があるかどうかについては、住居、職業、資産の所在、親族の居住状況、国籍等の客観的事実によって判断することになっています。
また、「居所」とは、「その人の生活の本拠という程度には至らないものの、その人が現実に居住している場所」とされています。
なお、国の内外にわたって居住地が異動する人の住所が国内にあるかどうかは、一般に職業などを基にした「住所の推定」により判定を行うこととなります。
出典:国税庁
嚙み砕いて言うと
- 居住者 = 日本国内に「住所(生活の本拠)」「居所(その人が現実に居住している場所)」がある方
- 非居住者 = 日本国内に「住所(生活の本拠)」「居所(その人が現実に居住している場所)」がない方
です。
つまり、
海外移住してしまえば、日本に「住所(生活の本拠)」がなくなるのですから、海外FXで稼いだお金を日本に納税する必要はなくなる
ということです。
当然、上記の場合は、移住先の国に納税する義務が発生しますが、移住先の国によっては、税率がかなり低い、または配当所得の課税がない、ため、移住先によっては税金がほとんどかからずに海外FXの利益のみを享受することができるのです。

「日本と海外に半分ずつ住んでたらどうなるの?」
A国の法令の規定によりA国の居住者と判定され、日本でも居住者と判定された結果、日本と外国の両方で居住者となり、双方の国で課税される可能性があります(これを「双方居住者」と呼んでいます。)。
このような場合、日本とA国との間に租税条約があれば、その規定に従って、いずれの国の居住者であるかを判定します。
なお、必要に応じ、両国当局による相互協議が行われることもあります。
出典:国税庁
移住先の国と、日本の国で、租税条約に基づいて、どちらに納税義務があるかが判断されることになります。滞在日数のみによって判断するものでないことから、外国に1年の半分(183日)以上滞在している場合であっても、日本の居住者になるケースもあります。
1年の半分以上は、移住先の国に滞在した上で、生活の拠点(仕事や家族、住所)も海外にないと、日本の居住者と判定される可能性はあるということです。
海外移住は、ハードルも高い
税金のための海外移住は、それなりにハードルも高いのが現実です。

税金は大幅に下げられますが、その国で住むことの大変さ(言葉の壁、生活環境、教育環境、物価)の方が上回って、結局、日本に帰国する富裕層も少なくありません。慎重に検討する必要があります。
海外FXの利益が億単位という投資家であれば、海外移住の不便さや海外の物価の高さよりも、税金の軽減メリットの方が大きくなる可能性はありますが、数百万円、数千万円程度の利益では、税金の圧縮効果もそこまで高くはないので、海外移住による節税はおすすめできないのです。
海外法人の会社設立で節税ってできないの?
こちらも、できる可能性はありますが、難易度が高いのが現状です。
海外法人の設立による税金対策の仕組み
「タックスヘイブン(Tax Haven)」とは
法人税や所得税の税率が低い「租税回避地」「低価税地域」のこと
外国資本や外貨を獲得するために、海外の小国の一部では、海外企業の事業に関する税制優遇に力を入れています。これらの国を「タックスヘイブン(Tax Haven)」と呼ぶのです。
「タックスヘイブン(Tax Haven)」には、中米パナマ、英国領バージン諸島、ケイマン諸島、バミューダ諸島などがあります。
「タックスヘイブン(Tax Haven)」の種類として
- タックスパラダイス:無税
- タックスリゾート:特定の業種に対しての税の優遇措置
- タックスシェルター:国外の所得に課税をしない
などがあります。
タックスヘイブンに子会社を作ることで、事業を海外で行い、日本の法人税を支払わずに済むという税金対策が頻繁に行われてきました。
当然、FXトレードも、日本でも、海外でも、同じようにトレードできるのですから、タックスヘイブンの海外法人でFXトレード事業を行えば、節税できるということになります。
ただし、日本では「タックスヘイブン対策税制」が1978年に導入され、年々規制が強化されてきました。
タックスヘイブン対策税制とは
タックスヘイブンを利用した税金対策・節税手法を規制する法律のこと
を言います。
下記、すべてを満たす会社はタックスヘイブン対策税制の対象となり、子会社等である外国法人の所得を親会社に合算する必要があります。
- 外国関係会社に該当するか
- 外国関係会社に係る株式等の保有割合が10%以上であるか
- 租税負担割合は20%未満(30%未満)に該当するか
- 特定外国関係会社、対象外国関係会社又は部分対象外国関係会社のいずれかに該当するか
です。
日本でFXトレードの法人設立、タックスヘイブンでFXトレードの子会社設立で、ほとんどを海外子会社の売上として計上し、節税するという手法は「タックスヘイブン対策税制」でできなくなっているのです。
これを回避するためには、上記に該当しない「タックスヘイブン対策税制の対象外」にする必要があります。
現実的かは、人によりますが
投資家11人が集まって、持分9.9%の子会社を作れば、株式の保有割合が10%未満になるので「タックスヘイブン対策税制の対象外」になります。
ただし、11人の投資家を集めることも難しければ、上手くFXトレードの収益を分配することも難しく、トラブルや内輪揉めをしてしまうことが予想されます。
現実的には、タックスヘイブンを利用した海外FXの税金の抜け道というのも、かなり狭いものと考えなければならないのです。
海外FXで資産を増やすための税金対策
前述したように、移住などの生活を一変させるような税金対策もありますが、多くの人が利用できるものではありません。
簡単に、海外FXで節税するためには「王道の節税方法」をしっかりやり切るということが重要です。
1.経費計上を徹底する
海外FXでも、税金計算の元になるのは「利益(所得)」です。
海外FXの収益(売上) - 経費(支出) = 利益(所得)
の「利益(所得)」に対して課税されるものなのです。
税金をできるだけ少なくするためには
- 収益(売上)を減らす
- 経費(支出)を増やす
ことで
- 利益(所得)を減らす
ことが重要になります。

ただし、海外FXをするということ自体が「利益(所得)を増やすこと」を目的としているため、あえて「収益(売上)を減らす」「経費(支出)を増やす」というのは、本末転倒です。
やるべきことは
実際に使っている支出なのに、経費計上できていない経費をしっかりと計上する
ということです。
経費計上のルールはシンプルで
海外FXで利益を出すために使った支出であれば、経費として認められる
です。
例えば、自分の家の家賃を計上していない方で、自宅で海外FXトレードをすることがあれば、家賃全額とはいかないまでも、家賃の一部は経費計上できるのです。
これであれば支出は変わらずに、経費計上できる金額が増えるため、確定申告上の利益は減り、税金は減ります。しかし、実際に支出している金額は変わらないため、手元に残るお金は増え、節税ができるのです。
経費計上できるもの
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- 海外FX業者の取引手数料
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- プリンター
- トレードのために利用したオフィス、レンタルオフィス、まんが喫茶
- トレードのために利用している家の家賃(一部のみ経費として認められる)
- トレードのために利用している家の光熱費(一部のみ経費として認められる)
- トレードで使う机・テーブル
- トレードで使うイス
- トレードで使う照明
- トレードの情報収集で使うテレビ
- 海外FXの情報取得のための英会話費用
- FXトレーダー仲間との会食、接待費用
- 海外FX業者との打ち合わせで行く海外渡航費用
- Microsoft Office等のソフトウェア費用
- 入金用のクレジットカード、デビットカードの年会費
- 海外送金などの送金手数料
出典:海外FXレビュー「海外FX税金マニュアル」
2.「両建て」を利用して利益を持ち越す
節税の方法には
- 経費による利益の圧縮
- 利益の繰り延べ
という方法があります。
利益を来期(来年)に繰り越すことができれば、その年の税金は利益が計上されない分、大幅に抑えることができます。
利益の繰り延べを繰り返して、大きな損失とぶつけることができるタイミングで、利益を確定すれば、そこで実質的な節税が実現できるのです。
海外FXトレードで「利益の繰り延べ」をする簡単な方法は
「両建て」
です。
年末の段階で、大きな含み益があるポジションを持っていた場合、決済をせずに、両建てポジションを持つことで
- 利益をそのまま塩漬けできる
ことになります。
放置してポジションを持ちつづけるだけでは、為替変動により、利益がなくなるリスクがありますが、両建てであれば、為替変動による損益は発生しないため、利益をそのまま来年に持ち越せることになるのです。

年末の状況で、大きな含み益があるポジションを持っていた場合、決済せずに「両建て」ポジションを持って、翌年に持ち越すのも、「利益の繰り延べ」という形での重要な節税テクニックと言えます。
ただし、この方法が使えるのは「大きな含み益のあるポジションを持っている」ケースですので、長期保有・ポジショントレードをする投資家向けの節税手法と言えます。デイトレードやスイングトレードでもできないわけではありませんが、繰り延べできる金額は少なくなってしまいます。
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